出産を機に2年間お休みしていた茶の湯の稽古を昨年11月に再開しました。
まだ娘も小さく通うのが難しい状況ですが、茶の湯へ向かう気持ちを途切れさせたくない思いと、お稽古で身につけたことを忘れたくない軽い焦りがあり、月1回のスローペースで再び通わせていただくことになりました。
お稽古の時間は、実家の母に娘のお世話をお願いしています。
お稽古場でもそれを皆さん知っているので、最後のお片付けなどは「いいわよ〜、早く帰ってあげなさい」と言ってくださり、助けてもらっています。周りの方の理解とサポートがとてもありがたい。
今月の掛け軸は、
「弄花香満衣」
はなを ろうして(もてあそんで)かおり ころもに みつ
ここでいう「花」とは、梅の花を表すそうです。
梅の花が風に揺られてその移り香が衣をみたす…なんだか、目を閉じると梅の花の香りがしそうです。
この日は急に春めいた暖かい気温と日差しがありましたが、2月はまだまだ寒さが残ります。
そのため、筒茶碗に絞り茶巾を仕込んで、流し点てをしました。亭主は炉を挟んでお客様と向き合う姿勢となり、お客様をより近く親密に感じます。流し点ては、水次やかんを水差しの代わりに使うこともあります。炉の季節だけに限って行われる点て方です。
お花は、椿と黄色いお花は山茱萸(サンシュユ)
サンシュユ…なかなか発音しづらい名前です。
花入は、出雲焼
月に1回のお稽古だと、あっという間に季節が変わってしまいます。
日々の暮らしは、娘を気にしながら自分のしていることに取り組み、娘が間に入ってきてそれを中断…ということが普通です。
茶の湯の稽古の時間は、これだけに集中できます。特にお点前の間は、周りの動きを見て、ひとつひとつの自分の所作に集中してやり遂げる。最初から最後まで中断せずに、それだけに集中できる達成感があります。お点前を終えたあとは、安堵と共に軽い疲労感が心地よく、それがリフレッシュにつながります。
3月は利休忌。
次のお稽古まで1か月、気持ちを繋げて暮らせそうです。